医療・介護施設における健康経営フレームワークについて
従業員の健康・医療の問題を経営課題と捉え、経営戦略に位置付ける健康経営が推進されています。健康経営優良法人認定制度により、社会的に評価を受ける環境が整備され、認定法人数は増加の一途です。また、医療保険者(健保組合、協会けんぽ等)が取り組むデータヘルス計画においてコラボヘルスとして事業所とともに健康経営を推進する取り組みも進んでいます。そうした中で健康経営優良法人の認定を受ける医療法人、社会福祉法人等の数は増えており、企業同様、医療機関においても健康経営への関心は高まっています。医療専門職の生産性の損失は、仕事のパフォーマンスに影響し、患者の安全と医療の質につながる可能性があることが指摘されています。こうした視点から、医療機関において健康経営に取り組む意義は大きいと言えます。
組織の健康課題を可視化し健康リスクを評価する手法および健康リスクと生産性の関連は国内外において研究が蓄積されてきていますが、健康経営に取り組んだ効果をどのように測定するのか、何をもって効果があると言えるか、学術的にも実践的にも検討課題となっています。私たち研究グループでは、組織における健康経営の効果はどのように測定するか、健康経営を促進する健康文化について研究しています。
これまで病院組織と共同研究により、実践的な健康経営の推進とともに国内外の知見を踏まえた研究的エビデンスの蓄積を進めてきております。
【医療・介護施設における健康経営に関する研究テーマ】
- 健康経営に基づく健診データ等を活用した健康課題の見える化
- 健康経営推進のための組織(職場)の健康文化の醸成
- 健康課題の見える化と働き方改革の推進
本サイトでは、これまでの研究蓄積から日本における健康経営の動向、医療機関における健康経営に関する国内外の研究紹介、共同研究による医療機関における健康経営の研究実施結果を紹介しております。その上で、医療機関における健康経営フレームワークの提案をしています。
■医療・介護施設における健康経営研究グループ(JSPS科研費19K11242, 22K11207)
研究代表 津野陽子(埼玉県立大学)
尾形裕也(九州大学名誉教授) 渋谷克彦(帝京大学大学院)
組織参加型で共同研究を実施しています。共同研究にご関心のある医療機関・介護施設の方、研究者の方、お問い合わせください。
参考)健康経営の枠組みによる健康課題の見える化 http://square.umin.ac.jp/hpm/
経済産業省・平成27年度健康寿命延伸産業創出推進事業(ヘルスケアビジネス創出支援等)「健康経営評価指標の策定・活用事業」東大ワーキングループ(WG)による結果
※「健康経営®」はNPO法人健康経営研究会の登録商標です